At the Table 〜食事と楽しむ【団欒に。】
ワインのあるテーブル ワインがこの世に生まれたのは8000年前。
ブドウは3万年前(諸説あり)から地球上にあったそうです。
暑くても、雨が降らなくても、立派に育つ、おいしい果物は人間の大事な食物だったはずです。
そんな大事なフルーツを地中に埋めた甕に入れて、保存していたら、ブクブクと泡を立てて、発酵している。
無駄にはできないと好奇心旺盛な誰かが口にしてみた。それがワインの始まりと推測されています。
ワイン発祥の地、ジョージアでは「スープラ」という客人をもてなす晩餐が慣習として大事にされ、それは今でも続いています。
料理が所狭しと並べられたテーブル、延々と注がれるワイン。
それは、ディズニー「美女と野獣」のルミエール給仕長やポット夫人たちがもてなす、「Be Our Guest」、あのワンシーンのようでした。
「スープラ」では、乾杯マスターなる役割があります。みんなが等しくワインを飲み、楽しんでいるかに気を配りつつ、場を盛り上げ、みんなを繋げてゆきます。 ワインは料理と共に、人をもてなし、繋がるのに欠かせない飲み物として育まれます。食卓にあって当然、なくてはならないもの、つまり日常の飲み物であり、食事のあり方なのですね。
「先進国でワインが未だに特別な、非日常的な飲み物になのは日本だけ」と言われる方もいます。
もちろん、アルコールを召し上がるか否かはこの話以前のこととして、「飲み放題」、「酔えればいい」、「安ければいい」から、脱却してしかるべき、社会、経済、文化レベルに日本はありますよね、ということです。
アルコールの耐性、ワインにかけられるご予算など、各々の生活や価値観、嗜好にあったワインを幅広く選ぶことができるのですから。
ワインのあるテーブル、食事が楽しくなるのはもちろん、人生を豊かにしてくれるものと信じています。
written by
石田 博 / Hiroshi Ishida